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親子の秋におすすめの食材の話〜ほっくりねっとり里芋の力〜

2025.10.08 ハピネス日記 給食日記

10月8日水曜日。

今朝、自宅の洗面所の壁に下げているカレンダーを見て、二十四節気の十七番め「寒露(かんろ)」に入ったことを知りました。

「寒露」とは、秋の空気が深まり、草木に冷たい露が降りる頃っていう意味です。寒さを好む渡り鳥たちが日本に飛来する頃でもあります(鴻雁来)。

出勤する自転車での道中は、顔に当たる空気がヒンヤリとしています。気持ちがいい〜♪
が、が、が、どうしたことでしょう〜! 今日の日中の蒸し暑さは!!!
「寒露」どころか湿気ムシムシで、汗ダクダク💦  お散歩帰りのハピネスの子どもと大人のおでこには、汗の玉がびっしり浮かんでいました(草木の露のように⁉︎)。

さて、しっかりと汗をかいた後のハピネス給食。
今日の献立には里芋をたっぷり使った煮物が並びました。

私が親子で食べてほしい薬膳食材ランキングで、上位に入る里芋。

中医学薬膳では秋の前半を「温燥」、後半を「涼燥」と分けて考えます。二十四節気の「寒露」のあたりは、薬膳では「涼燥」のはじまり。冷えと乾燥が混在する気候のなかで元気を保つために、体の中を冷やさず、やさしく潤し、水が澱まない食生活を心がけたい季節です。

里芋といえば独特のぬめりですよね。
あのぬめりは、体の粘膜を乾燥から守ってくれる成分なんです(ガラクタン)。排泄の力があるカリウムも豊富で、体内の水が澱むことも防いでくれます。

薬膳っぽく言うと、
<性味>平(温と冷の間)
<効能>化痰・解毒・消腫・和胃・調中

つまり、鼻水や風邪を予防して、便秘・下痢の改善、食欲が落ちている時でも消化しやすく、おだやかにエネルギーを補充できる食材なのです。

そして、もう一つ里芋をお勧めしたい理由が、その成長過程。

九州では3月頃に種いも(親いも)を植え付けます。じっくりと土の中で栄養を蓄え、9月に入った頃から収穫がはじまります。薬膳では、体の入口である「脾(ひ)」を大事にしているんですが、「脾」を養うのが「土」の気。里芋は土の気を半年以上もかけて吸収して、ほっくりねっとりと芋を太らせていきます。

親芋を中心に“子芋”“孫芋”と連なって芋が増えていくことから、「家庭円満」「子孫繁栄」の象徴として昔ながらの日本のおめでたい膳にも登場します。

私は、食事は「食べ物を介して“気”を交換すること」って考えています。栄養成分やカロリーだけじゃなく、その食材の色形が持つ印象や口に入るまでに経た環境も含めて、食べる人の体と心を育てるんです。

里芋には、親子をやさしく元気にする気がたっぷり。

皮を剥くのがちょっと手間ですが、ぜひ家庭の食卓にも里芋を登場させてみてください。まだ秋感が薄い毎日でも食卓から季節を楽しみましょう〜!

※注意※
里芋には生で触ると肌が痒くなる成分が含まれているので、子どものクッキングにはおすすめしていません(シュウ酸カルシウム・プロテアーゼ)。かゆみの成分は加熱すれば消えます。 離乳食中〜後期からしっかり加熱して、ペースト状で食べはじめるといいですよ。

ハピネスこどものいえ副園長
ハピネス給食リーダー  ポニ🍙



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