発達のプロセス…“繰り返し”

紫陽花が色づき、蒸し暑さを感じるようになりました。雨が多い、蒸し蒸しするというこの時期ならではの日本の気候や文化にも、子どもたちが適応していけるような環境を整えていきたいと思います。
さて、子どもと一緒に過ごしていると、同じ遊びや特定の動作を何度も繰り返す姿を見かけることはありませんか。「昨日もしてたけど、それ、飽きないの?」と思ったりしますよね(笑)実は、その“くり返し”こそが、子どもの育ちを支える大切な営みなのです。繰り返すことで、子どもは感覚を深めたり、動きを洗練させたり、自分の中での「よし、できた♪」ポイントへ到達したりと、さまざまな自己成長を遂げています。自分のペースで納得いくまで続けることで、心と体と知性が少しずつ統合されていくのです。そして、まわりに目もくれず、自ら“くり返し”ているその姿こそ、子どもに身につけてほしい“集中力”が自然と育つための一番の栄養素とも呼べるでしょう。子どもの集中には、周囲の大人の理解と見守りが欠かせません。すぐに手を貸したり、声をかけたくなる気持ちをちょっと(?)抑えて、「お、今日もせっせと自分づくり中ですね」というまなざしで見守ってみてください。エネルギーに満ちたすばらしい発達のプロセス・・・“繰り返し”を、保育園でも家庭でも、たっぷり味わえるようにしていきましょう。“繰り返し”発見の発表会なんて楽しそう♡ (園長 平野理都子)