言葉という人間らしさ
2024.02.01 ハピネス日記 園長日記 平尾ビレッジ 志免ビレッジ
梅の花が咲き始め、寒さの中にも春の兆しを感じる頃、子どもたちの「自分でできた」の積み重ねをさまざまな場面で実感する日々です。保育士の手伝いがなくとも、子どもたちでテラスの植物に水やりをしていたり、何かができずに困っている低月齢の子を高月齢の子がサッとサポートしていたり。いつもと同じ暮らしを通して、心と体がつながり、一体化してきているのを感じます。
最近私が特に感じるのは、子どもたちの話し言葉の発達の著しさです。先日の活動中、他の子に邪魔をされてた子が、相手に力強く「やめて!」と言っている姿に遭遇しました。それまで泣いて訴えてる姿しか見たことがなかったので、自分のできる限りの言葉を使って、相手に思いをぶつけている姿を見て、とても嬉しくなりました。またあるときは、とあるおもちゃを「かしてー」とAくん、「いやだー」と答えるBちゃん。再度「かしてー」とAくん、これまた「いやだー」と答えるBちゃん。無言で奪い去ったり、無言で取り返すような少し前の姿はもうありません。言葉という人間らしさの象徴を手に入れたことで、誰かの手を借りずとも自分の意思を明確に表現することができるようになり、他人とのコミュニケーションが円滑になっていく…子どもたちの言語発達の過程は、この社会への適応の過程と重なっているように思えてなりません。話し言葉の発達著しい子どもと過ごす私たちは、思いやりのあるきれいな言葉を使いたいですし、言葉を使って自己表現する姿を見せていきたいものですね。
(園長 平野理都子)