ピーマンはでっかく!
2021.06.26 平尾ビレッジ 志免ビレッジ 日々のこと 給食日記
夏至を迎え、ハピネスの給食も夏野菜がボリュームアップ!
調理をしながらも、その彩りに気持ちがパッカーンと明るくなります。
彩りに加えて、夏野菜のツヤも魅力的〜。
強い日差しを浴びてもへこたれない、パリッと、プリッとしたイキのよさ。
お肌の曲がり角を何ターンめか?のポニは、夏野菜たちのツヤにあやかりたいと思いながら調理をして、食べています。
今日のタイトルの「ピーマン」。
私は給食員になって知ったのですが、「子どもが嫌いな野菜ナンバーワン」の常連なんですってね。
ピーマンの独特の苦味がその理由に多くあがっています。
確かに、味覚センサーが敏感な乳幼児は、苦味、辛味、酸味があるものが苦手です。
これは生き物に備わっている防衛本能によるものだとか。
自然界の苦味、酸味は毒のあるものや腐敗したものが多いから、「体内に入れては危険!」と感じて吐き出すようになっているんです。辛味の刺激に対しては、外敵の攻撃から身を守る本能でしょうか。すごいね!本能!!
薬膳でも、極端な苦味、辛味、酸味は、五臓が未熟な子どもの日常食には必要ないと考えています。(おだやかな程度のものは、季節や体調に合わせて使いますよー)
だから、私は、ピーマンは苦手だったら無理して食べなくていいんじゃなーいという考えです。
…その割に、私、給食によく使うんですよね〜、ピーマン。
旬のピーマンは価格が手頃だし、保存性も高い。
切り方によっては主役にも、脇役にもなってくれる。
個人的にもピーマンが好き。だから、夏はピーマンを使った料理ばかり思いついてしまうんです。
そして、案外、子どもたちは給食のピーマンを食べてくれるんですよ。
ピーマンの存在を隠すように細かく刻んだり、苦味をごまかすように甘辛い味つけもしません。
給食は、日中にしっかり活動した後のおなかペコペコの時間だったり、みんなで食べる雰囲気だったりの効果で、普段は嫌がっている食材も食べ進む子は多いです。
それプラス、私が思う子どもにピーマンを出すコツを二つ書き出してみますー。
①しっかり加熱する
ハピネスで働きはじめの頃に見かけたテレビ番組で、「ピーマンは4分じっくり炒める。青臭さが抜けて、甘味が際立って食べやすくなる」と料理研究家の方が話していました。確か、子どもがピーマンを嫌いということもこの番組で知ったんだったか。給食ではピーマンだけが特に残ってくるということがなかったのは、つくる量が多いために自然と加熱する時間が長くなることと、子どもたちの食べはじめる時間に合わせて何度か加熱をしているからなのかなと思いました。それからは、4分(または4分以上)を意識するようにして加熱しています。
確かにね、味が違いますよ。"4分”というのは、ピーマンの魅力的な色合いをキープしつつ甘味が際立つ境界のようです。4分以上加熱すると色はだんだん茶色がかってきます。が、果肉がとろけるような食感になって、それはそれで私は大好きです。離乳食期の子どもでも食べやすくなります。
②大きめにカットする
子どもが苦手そうな食材に対してついやっちゃいがちなのが、小さく刻んでハンバーグに混ぜる。カレーに混ぜる。チャーハンに混ぜる。じゃ、ないですか?
それで口にはするかもしれないけれど、それって子ども自身が「ピーマン食べた〜。ピーマンおいしい〜」って感じてることにはならないと思っています。「これは好き、これは嫌い」と子どもが表現できることを私は大事にしたいので、「嫌いならちゃんとピーマンを見分けて避けられるようになったらいいよね」と、あえて大きめに切っていました。
ある日、保育室の一角で「ピーマンの種を取る」お仕事をしていた子どもが、種を取るだけにとどまらず、果肉をバリバリと手で割っている姿が目に止まりました。「そのピーマンのサイズ感、いいね〜」と感じて、私も給食に使うピーマンを手でバリバリと割ってみたんです。いつもよりさらに大きめになっちゃいましたが、包丁で切るよりも味がしっかり馴染んで食べやすく感じました。ピーマンを割っていた子も、「あ、私のピーマンと同じ!」と思ってくれた…かどうかはわかりませんが、よく食べていましたよ。
ピーマンは、繊維を断つように切ると独特の苦味が強くなります。苦味を抑えたいなら繊維に沿った縦切りがおすすめ。断面が少なくなるほどに苦味が和らぐので、できるだけ大きく、いっそのこと丸ごと食べちゃえばいいんですね。
ピーマンはでっかく食べよう!
【ピーマンの薬膳パワー】
■五味/甘渋(辛)
■五性/平
■帰経/肝 心 胃 腎
■効能/理気・除煩・平肝・和胃
なんと!ピーマンの五味(酸・苦・甘・辛・鹹)は、甘味だった!
食材辞書によっては渋味や辛味もあるとされているけれど、いずれも甘味は共通して表記されていますー。
私たちが一般的に食べるピーマンは未成熟の緑色の実。熟して赤や黄色になった実は確かに甘いですよね。
「五性」とは食物が体に作用する温度みたいなこと。ピーマンの「平」はあたためも冷ましもしないおだやかさなので、子どもの毎日のごはんにちょうどいいってことです。
効能をわかりやすく言い換えると、「気のめぐりをスムーズにして気持ちを安定させ、胃腸の働きをととのえる」。
やっぱり子どものごはんにちょうどいいや〜ん!
ピーマンの素顔は苦くないのよ〜。ホントは甘くてやさしい子なの〜!しっかり向き合えば、あなたの気持ちを落ち着かせてくれる癒やし系。 嫌いにならないでちょーだいっ(´ε`;)
なので、7月の献立もピーマンたくさん登場しますよ〜(・∀・)
給食室 ポニ(あがたのりこ)🍙
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